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第76章 決意表明

｢さて……では、クレッシェンドさんには、岸コーポレーションのイメージアップの為に頑張ってもらいますよ｣

　智也の言葉に、綾波が目を見開いた。

｢つまりそれは――｣
｢アパレルブランドの件、予定通りに進めさせていただきます｣
｢おお――っ｣
｢マジですか！？｣

　亮介と野村が手を叩いた。

｢岸さん、本気ですか？
　うちと組めば、世間にバッシングされる可能性大ですよ？｣

　冷静に意見を述べる綾波に、智也は魅惑的な笑みと共に事も無げに言いはなった。

｢そこをひっくり返してこそ企業家ですよ｣

　智也は、キスをし合うふたりを一瞥すると苦笑し、ドアに手をかけた。

｢岸さん、何処へ？｣

　綾波が怪訝に思い訊ねると、智也は振り返った。

｢……皆さんも、そこのテレビで中継を見ていて下さい……
　今から会見を開きます｣

　彼はそう言い残し、颯爽とした足取りで、報道陣の犇めく部屋へと向かった。