この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Love adventure
第79章 新しい息吹
「もしも……俺の子供じゃなかったら――」
低く涼やかな声に、ほなみは思わず身を竦めた。その次に彼は何と言うのか――不安で怖くて、耳を塞ぎたい――
思わず更に強く瞼を瞑るが、彼が発したアンサーに、ほなみは耳を疑った。
「それはどっちでもいいんだよ」
「――ど……っちでも……て」
ほなみは瞼を開き、目の前で花の様に微笑む恋人を呆然と見上げる。
彼の長い指がほなみの涙を拭った。
「赤ん坊がどっちの遺伝子を受け継いでるとか、関係ないよ……俺は……ほなみの全部……ほなみが抱えてるもの全部を守りたいんだ」
「――に……しくん……っ」
「まあ……子供が智也にそっくりな男の子になったとしたら――ちょっと嫌かも知れないけど~な~んて!」
「西く……」
「だ――から!もう泣かない!これって嬉しくて素敵な事だろ?」
「素敵な事――」
「そうさ!だから大丈夫なんだよ!」
鼻息荒く、自信満々に頷く彼を、ほなみは目を丸くして見つめるる。
彼にそう言われると、先程まで渦巻いていた不安や混乱が胸からひいていくようだった。
彼は本心からそう思って言っているのだろう。でも、なんの根拠もないのに?大丈夫と言い切る彼は、能天気なのか――本当のバカなのか――
ほなみは、彼の瞳の中のキラキラな輝きに魅せられながら、そんなことを思っていたが、ふと、笑いが込み上げてきてしまう。
『奴は能天気なのか、それとも本当のバカか?』
智也もそう言っていた――
低く涼やかな声に、ほなみは思わず身を竦めた。その次に彼は何と言うのか――不安で怖くて、耳を塞ぎたい――
思わず更に強く瞼を瞑るが、彼が発したアンサーに、ほなみは耳を疑った。
「それはどっちでもいいんだよ」
「――ど……っちでも……て」
ほなみは瞼を開き、目の前で花の様に微笑む恋人を呆然と見上げる。
彼の長い指がほなみの涙を拭った。
「赤ん坊がどっちの遺伝子を受け継いでるとか、関係ないよ……俺は……ほなみの全部……ほなみが抱えてるもの全部を守りたいんだ」
「――に……しくん……っ」
「まあ……子供が智也にそっくりな男の子になったとしたら――ちょっと嫌かも知れないけど~な~んて!」
「西く……」
「だ――から!もう泣かない!これって嬉しくて素敵な事だろ?」
「素敵な事――」
「そうさ!だから大丈夫なんだよ!」
鼻息荒く、自信満々に頷く彼を、ほなみは目を丸くして見つめるる。
彼にそう言われると、先程まで渦巻いていた不安や混乱が胸からひいていくようだった。
彼は本心からそう思って言っているのだろう。でも、なんの根拠もないのに?大丈夫と言い切る彼は、能天気なのか――本当のバカなのか――
ほなみは、彼の瞳の中のキラキラな輝きに魅せられながら、そんなことを思っていたが、ふと、笑いが込み上げてきてしまう。
『奴は能天気なのか、それとも本当のバカか?』
智也もそう言っていた――