この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Love adventure
第14章 夫の帰国①
「お馬鹿な子供達はほおって置いて、美味しいパンケーキでもいただこうか!」

 浜田は、ほなみの肩をポンと軽く叩くと、ポケットから大量の鍵を出した。

「ちょっと待ってて。今開けるから……っと、どれだっけ」

  三広と亮介は少し離れた所で、まだ騒いでいる。
 ほなみはクスクス笑って、彼らを見ていたが、ふと壁のクレッシェンドのポスターに目を留めた。

 ――ピアノの前で笑って居る西本祐樹。
 濃紺のスーツに細いリボンのネクタイがとても似合って、彼の佇まいをますます魅力的にしている。
 初めて彼の姿を目にした瞬間のようにほなみの胸が騒いだ。
 
「むむっ。同じような鍵ばかりなんだよ……これか?いや違った!これか!ええっ?むーん……今度こそ!」

 浜田は大量の鍵と格闘するが、傍らでほなみはポスターから目が離せない。

(――ファンとして応援すると決めたのに。そうするしかないのに――)

 彼の姿、いや、彼の名前を目にしただけでも、自分の五感全て、否、それ以上の何かが彼に向かって流れ出してしまう。
 ほなみは、ポスターの彼の顔を指でなぞった。
 胸の奥が堪えがたく痛んで目を閉じた時、何処からか視線を感じ、ハッとして手を離した。
 目の前の信号が青に変わり
『ピッポウ ピッポウ』という音と共に、歩行者達が急ぎ足で押し寄せて来る。
その集団の中に、こちらを真っすぐ見つめる目があった。
――誰なのか、ほなみにはすぐに分かった――










「……智……也……」




 身体が、緊張で急速に冷たくなっていった。



/814ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ