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寝取られ彼女。
第1章 prologue
―3年前
「亜衣(あい)…今日、いい?」
廊下で窓の外を眺めてたあたしに、後ろから耳元で声がかかる。
小さく頷き、絡められた手をきゅっと握る。
少し…強く。
すると後ろの人物は、再びあたしの耳元で
「りょーかい…」
と甘く囁き、ぺちゃ、とあたしの耳朶を舐め、柔らかく絡めてた指を離して離れていった。
かあっと頬が熱くなる。
こっ…こんな所、他の誰かに見られたらやばいのに。
ドキドキと高鳴る心臓を鎮めようと胸元の制服の裾をぎゅっと握り締める。
…と。
「なーに見てんのっ」
後ろから絡みついてきた長い腕に意識をとられた。
「…、ほら、あれ。頑張ってますよ、先輩」
「―――…」
あたしが眺めてる先を見つめた後ろの人物は、急に黙り込んだ。
少しして舌打ちが聞こえて、あたしを抱き締める腕の力を強める。
相変わらずだな、この人。
「えぇ、亜衣…あんなの見ないで俺の事だけ見てよ」
…うん、相変わらず。
「だってぇ…サッカーしてる先輩ほんっと可愛いんですもん。そう思いません?」
「へぇ?弓道してる俺は?」
「…っん、かっこ…い」
「もっと…だろ?」
「あっ…、も…っと」
「よしよし…、亜衣は素直でいいね」
「せんぱっ…ん、や…」
「ね、亜衣…今からサボろ?」
「だめ…っあぅう」
「あんまでかい声出したら聞こえるよ?クラスメイトに…」
「やだ…っ」
「じゃあいつもん所行こっか…」
そのまま空き教室に連れていかれたあたしは、先輩に甘く誘惑されて激しく抱かれた。
あたしの体は、3人の先輩によって翻弄されている。
心も…然り。
こんな関係、いつまで続くんだろう。
毎日ローテーションで求められて…
だけど、その3人の内の誰かと付き合ってる訳ではない。
もうずっと続いてるこの奇妙な関係。
イケない関係…
もし…もし、このローテーションがなくなったとしたら。
その時あたしは、どうなってしまうんだろう…