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繋がれた鎖
第10章 後悔――運転手、野口――
彼女は僕に気づくと少し微笑んで

「有難う…ございます」

そう声をかけてきた


野口「喋らないでいいよ、身体洗い流そうね」

「はい」

微かに返事が聞こえたが、相当辛いんだろう

唇を噛み締めている


僕は抱き抱えてバスルームに運んだ


彼女は嫌かも知れないけど、抱き抱えて洗うのは体力が必要だ

僕の他には適任者がいないから我慢してもらうしかない

パンツだけは履いて彼女に接するが

今日はお湯もかなり激痛だったみたいだ

そっとかけたが「うっ…」と言ったまま暫く痛みに耐えていた

ゆっくり身体についた汚れを洗い落とし
彼女を寝室に連れていく

いつも座ってられないほどで身体に力が入らないのだろう
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