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初花
第1章 琥珀
「名は なんという。」
「. .龍ともうします。」
怯える姿を見つめたまま
廓の女将に 言いつける。
「わたしの相手は、 この者に。」
「、、しかし、殿、その者は」
「わかっている。 いま訪れて
すぐに 抱ける者ではないのだろう。
十日、待つ」
訳もわからぬまま
女将とわたしを 交互にみている龍の前に
片膝をついて その薄い肩を抱き
しろい喉元にくちを寄せ
かるく かみついた。
・
声も出せずに 瞼をかたく閉じた貌が
夜になる度、眼に浮かんだ。