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白い背中と君の藍
第7章 ブラック◆消えて…
孝秀は私を支えるように肩に手を回したまま、アトリエに移動させた。
いつもの画材の匂いに、安堵感に包まれる。
「メグ……何か飲む?」
憔悴しきっている私の様子に孝秀は、凄く気を使ってくれていた。
「うん……」
「分かった。待ってて」
孝秀は片づけていたマットを出して私を座らせると、炭酸水を用意してくれた。
シュワシュワとはじける気泡をジッと眺めながら、マキコとの会話を思い返す。
「絵の具を買いに出掛けてたんだ……。今日メグが来るとは思ってなくて」
グラスを握ったまま動かない私に孝秀は言い訳のように話してきた。
うん……そうだよね。
私たちはいつも約束した日しか会ってないもの。
孝秀は、何も悪くない……
何も――――。
だけどどうしてもマキコの言っていたことが、受け止めきれない自分がいる。
見開いた目から、大粒の雫がボトボトと落ち出した。
「メグ!」
孝秀は手からグラスを退かして、私の顔を胸に埋めさせて包み込むように抱き締める。
その胸は凄く温かくて、優しい……。
でも――――
「うぅ……ふっくぅ……」
私だけのものにはならないんだ。
いつもの画材の匂いに、安堵感に包まれる。
「メグ……何か飲む?」
憔悴しきっている私の様子に孝秀は、凄く気を使ってくれていた。
「うん……」
「分かった。待ってて」
孝秀は片づけていたマットを出して私を座らせると、炭酸水を用意してくれた。
シュワシュワとはじける気泡をジッと眺めながら、マキコとの会話を思い返す。
「絵の具を買いに出掛けてたんだ……。今日メグが来るとは思ってなくて」
グラスを握ったまま動かない私に孝秀は言い訳のように話してきた。
うん……そうだよね。
私たちはいつも約束した日しか会ってないもの。
孝秀は、何も悪くない……
何も――――。
だけどどうしてもマキコの言っていたことが、受け止めきれない自分がいる。
見開いた目から、大粒の雫がボトボトと落ち出した。
「メグ!」
孝秀は手からグラスを退かして、私の顔を胸に埋めさせて包み込むように抱き締める。
その胸は凄く温かくて、優しい……。
でも――――
「うぅ……ふっくぅ……」
私だけのものにはならないんだ。