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白い背中と君の藍
第8章 コーヒー◇優しい気持ち
『他の色』って何――――!?

どんどん攻めてくる先輩に、思考回路が追いつかなくてショートしそうだ。

私がプチパニックになっている間にも、やはり手練れているのか先輩の舌が、あっという間に唇の隙間から侵入してくる。

「ん〜!!  んっんん〜!!」

先輩の優しさに甘えさせて貰おうと思ってしまったけど、このまま先輩とも肉体関係になるのは嫌だった。

智充先輩には、お兄ちゃんみたいな存在でいて欲しい……。

先輩の気持ちを考えると、凄く都合のいいことを言っているかもしれないけど……

先輩にキスされて分かった――――。

孝秀とは違う!!

連日のように孝秀と抱き合った私は、もう彼の色で染め上がっていた。

そう思った途端、先輩の言葉の意味が胸にストンと落ちる。

無理だよ先輩……
私は『他の色』には染まりたくない。

染まりたいのは、あの一瞬で心を奪われた孝秀の『藍色』しかないんだ――――!

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