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呪いのしるしを、君の体に。
第1章 1


「あっ…もう少し優しくっ…」
「これでもじゅうぶん、優しいだろ?」


それに、とつけ加えて、怜央はことりの中に押し入った。


「ことり、俺のこれが好きだろ?」
「っああ…!」


ろくに濡れてもいないことりの中を、怜央が激しく打ち付ける。
欲望は怜央を少し厄介にしていた。


「やっ、やめて怜央…痛い…」
「止められるかよ。ほら、もっと気持ちよくなれって」


怜央の欲望がことりの中を這いずり、その反動で皮膚の打ち付けあう音が狭いアパートに響き渡った。
軋むベッドのシーツにつかまり、ことりは思わず目をつぶる。


『…先生…』


思わず脳裏によぎった、先生の文字。
そして、ことりは今打ち付けられているものが、もしもあの人だったならばと思った。


『最低だ、自分…』


大好きな彼氏に抱かれているのに、別の男の人のことを考えるなんて。
それでも、考えずにはいられない。
それほどまでに強烈な体験をさせられた。
思い出すだけで、体の芯が熱くなる。
まるで、ほんとうに呪いをかけられてしまったみたいだった。


「なんだよ、痛いって言いながらも、めっちゃ締め付けてきてるぜことり!」


怜央はことりが別のことをよぎらせて、体の芯を熱くさせたことなど知らない。
一度ソレをことりの中から抜き出し、彼女の体をうつ伏せにさせると、またもや奥をめがけて入れ込んだ。


「ほら、イけよことり、これ好きだろ!」


うつ伏せになったことで、怜央の顔が見えない。
ことりはより一層、脳裏にちらつくあの妖艶な表情と仕草を思い出し、必死に怜央の刺激に耐えた。


『先生、私に何したの…?』


こんなにも、体を火照らせるなんて。
痛みに苦しむことりの中で、怜央が果てたのはしばらく後のことだった。


『先生…一体…私はどうしちゃったんだろう…?』


悔しさとわけのわからない感情に、ことりの胸は押しつぶされた。
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