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よくある恋愛モノ
第12章 エピローグ
「朝礼始めるぞー」
「きりーつ、きをつけー、れーい」
「おはようございまーす」
とある中高一貫の公立校、高校1年2組の教室で出欠確認が始まる。
「全員いるかー? いないのはー……和泉だな。川本、悪いが今特に連絡することもないから呼びに行ってくれ」
美和は心の中でため息をついた。
「わかりました……」
相変わらずの生活態度
ガチャ
美和はいい加減うんざりしながら、いつものように屋上の扉を開ける
そこには、ほぼ一年前と同じ、ベンチで寝ている不良の姿
風紀委員として制服をきちんと着こなす美和とは対照的に、ワイシャツの上に灰色の薄いパーカー、さらにその上にブレザーを着て前を開けている凪。
不良らしくスケルのネック、右耳にはイヤーカフを付けている。
何も、何一つ変わっていない−−−
「さっさと朝礼来て。また私がとばっちり食らって迷惑なんですけど」
「は?」
恋人の美和はこの不良がガンを飛ばしても動じない。
「しらねーよ。なんでお前の都合に合わせなきゃいけねーわけ」
「朝礼とか授業にでるのは当たり前です。そんなんで単位落としても知らないからね」
「知らなくてけっこー」
凪はベンチから立ち上がり、美和を見下ろして冷たく言い放った。
美和は黙ったままその視線を受ける。
「ちっ……」