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よくある恋愛モノ
第4章 嵐に呑まれて
とある日の放課後の教室、お嬢様とアホ男という異色の二人組−−−
「ねえ寅ちゃん、『和泉凪を守る会』って知ってる?」
「え、そ、そんなんありんすか!? 入りたいっす!」
「残念でした、女子しか会員になれません」
“お前じゃ守れねーよ(笑)”
と思いながら、星来は笑って答える。
「な、なんでっすか! こんなに凪さんのこと想ってるのはオレ……」
“キモいわ”
「で、も! お手伝いすることはできると思うの」
「お、お手伝い……っすか?」
「その会には厳しい規約があるの。まず、呼び方は一年生が和泉くん、二年生が凪くん、三年生が……」
星来は会について詳細に説明した。
「はあ……」
「ねえ寅ちゃん、美和さんて和泉くんのことなんて呼んでた?」
「たしか……凪……」
「美和さんて……幼なじみだし風紀委員だから仕方ないけど……」
「たしかに一緒にいる時間が多い気が……」
「しかも……ね?」
「話すときは絶対1対1っす!」
「やっぱり……他の女子のためにも、会長さんに知らせるべきだと思わない?」
「はい! あ、でも、美和さんて会員なんすか?」
「違うけど……学校の大半が所属してるんだから、みんなが嫌な思いするでしょ? 寅ちゃんだってそうじゃないの?」
「い、いやまあ……そっすけどぉ……」