- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
よくある恋愛モノ
第11章 新たな日々へ
翌日、美和は学校に行った
本当は少しでも長く凪の傍にいてあげたいのだが、彼女は学校をサボるようにはできていない
「そんなに付きっきりにならなくていいぞ」
昨日、わざわざ一旦家に戻り勉強道具を持ってきた美和に凪は言った
「明日の予習してないから」
美和は答えになっているようでなっていないことを言うと、さっさと勉強を始めた
そんな彼女を、凪はじっと見つめる
視線を感じて美和は顔をあげた
「……な、何?」
見つめられて顔が火照る
「ああ…いや……」
凪はふっと視線をそらして言い放った
「授業ってのは予習して受けるもんなんだなと」
……
“はぁぁ!?”
「ちょっと、馬鹿にしてるのっ?!」
美和の反応に、凪は目を瞬いた
「いや、すげーなって…意味……」
今度は美和が目を丸くする番だった
この男は、本当にわかっていなかったのだ
−−−授業は予習して受けるものだと
「……」
美和は何も言えないまま椅子に座りなおした
「……美和?」
凪がそっと声をかける
“怒らせたか?”
美和の気持ちを気遣うとは、彼も大人になったものだ