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rena's world story★a.n.r.r.y
第8章 集合
……後ろの女性2人が、キラキラとした瞳で瀬名を見ていて
言われた俺も同じように胸が熱くなってしまった。
「……瀬名…」
「 “ 奇跡は、きっとある ” 」
静かにそう呟いた瀬名が、少し先にいる瑠璃を見つめる。
「届かないと諦めていた想いが……願いが叶う奇跡があると
お前の花嫁が、俺にそう言ってくれたんだ」
「………!!」
「あんたの言う通りだったなと、いつか報告出来る日が本当に来るんじゃねぇかと
……今夜は、そんな夢まで見れそうな気がしてる」
……込み上げる想いが溢れて、何も言葉にすることができない。
拳を作った瀬名の左手が、すっと伸びてきて
それに自分の手の甲を合わせると
……共に走り続ける戦友が、真っ直ぐ俺を見つめた。
「一生大事にしろよ。
お前の過去も未来も、温かく包んでくれる人だ」
「………っ」
「おめでとう、蓮」
幸せとか、夢なんて言葉を普段絶対に使わない男が
優しい笑みを浮かべて、ひらりと手を翻して去っていく。
「……あいつ、やっぱり酔ってんじゃねーか……」
その後ろ姿を見送る自分の目頭と、瀬名と合わせた手が熱くて
素直にありがとうと言えなかった。