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rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる
“ 一言でもいいから
美和から蓮に、メッセージを書いてほしい ”
……真剣な表情でヒメにそう言われたのは
麗子さん達と飲んだ、1週間前の土曜日。
蓮くんに送ってもらった写真を、カードにしたはいいものの
昨日の夜までずっとずっと迷ってしまっていて
今日、結婚式に向かうヒメの手に……手紙を渡すことはできなかった。
……だけど、二次会に呼ばれたアンナに説得されて
最後の最後、本当にギリギリの時間まで悩んで
自分の想いの全てを、なんとか書くことが出来たの。
「………」
アンナは直接蓮くんに渡してくれたのかな。
流石にそれは無理だったら……係の人に渡したのかな。
……私がメッセージを書けたこと、ヒメは知らないよね……
「………っ」
顔を上げられなくて、自分のスカートをぎゅっと掴む。
ヒメは何も言わなくて、その沈黙が永遠に感じてしまう。
「……美和」
暫くしてから、ヒメが私を呼んだ。
「アンナとヒカルが、速攻仲良くなってたぜ」
「………!」
「あともう1人、晩餐会の参加者が加わった。
お前と同じで酒は強くないらしい」
「………?」
「良かったな、やっとまともな仲間が出来て」