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rena's world story★a.n.r.r.y
第19章 唇に媚薬 ‐ deep love -
……な、な、なんなの……///
今の台詞は反則でしょう!
口から心臓飛び出たらどーすんのよ!
ドキューンと打ち抜かれて、思わず左胸を両手で押さえると
「………!」
不意を突かれてベッドに倒された。
仰向けに組敷かれて、葵が体重を乗せてくる。
私の髪をかきわけて、ふっと微笑んで……
……堪らない。
「……葵って、やっぱり優しいのね」
綺麗な手
細く引き締まった腕
割れた腹筋
何かを喋って紛らわせないと、この色気に殺されてしまう。
そんな錯覚にすら陥ってる。
「優しい?」
私の頬にキスを落としながら
大して興味無さそうな声で聞き返された。
「どの辺が?」
「……可愛いって言ってくれるから」
「………!」
「来月三十路を迎えるアラサー女に
その褒め言葉をくれる男は貴重よ…」
「普段は高飛車でクール気取りの我儘女だけどな」
「~~~!! ちょっと…
……!」
飛び起きようとした私の唇に、葵が右手の人差し指を押し当てた。
「………っ///」
“ ちゃんと分かってる ”
……そうは言ってないけど
言われてないけど……!
片目を瞑って私を制する、その仕草だけで……もうメロメロなんですけど。