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rena's world story★a.n.r.r.y
第5章 2人で、一緒に

「ユーリも過去は俺と同じでチャラけてたし、夏輝に至っては無職という名の放浪者だったんだけど
……今は、真っ直ぐ進むべき道を歩いてる」
「………!」
「努力して得た力で、ちゃんと自ら地位を築いてるんだよ。
……あんたの旦那になる男もそうだ」
「………っ」
「あんな大手企業で、第一線で……すげぇよな」
吹き抜ける夜風によって、彼の髪がふわりと舞った。
ライトアップに照らされた、切なく揺れる瞳。
……さっきまでの彼の姿からは、想像も出来ない。
自信に満ち溢れていて、向かうところ敵なしという……私が勝手に抱いてるイメージとも違う。
……それでも
切なくて美しい表情に魅せられて、言葉に出来ない。
「そこのBARで働くヤスって男も、表向きはバーテンダーしてるけど。
立派な経営者で、2号店の進出にも勝算があるらしい」
「………」
「プロの競泳選手もいるし、手に職を持つ技術者や指導者も多い」
「………」
「販売員成績TOPまでのし上がった奴も、モデルになった奴も。
文句言いながらも完璧な仕事をするアシスタントも……
って、こいつらは女か」

