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好きにさせて
第12章 嘘

「先輩どうでした?
うまくいきました?」


早う謝れと
アドバイスした後輩が
昼休みに話しかけてきた

あれからもう
二週間も経ってるけど
俺が出張やらなんやらで
顔を合わせたのは
それ以来やった


「別れた」


「えーー!
なんでですか?
ちゃんと謝ったんですか?」


「そーゆー問題やなかったんや」


「え?」


「好きな男ができたんやて」


「うーわっ、最悪。
また結婚遠のきましたねー」


「せやな(苦笑)」


フブーー…

その時
俺の携帯が鳴った


「あ、電話や。
ピッ、おう、なんの用や」


電話の相手は
平田やった


「藤沢と
どうなったか心配でな」


最悪なタイミングや


「上手いこといっててんけどな
あかんかったわ」


「え?なんでだよ」


「藤沢に男できてん」


俺の口から
躊躇いもなく
「藤沢」という名前が出てきたことに
俺は少し驚いていた


「まさかー」


「それは俺のセリフやで(苦笑)
まぁとにかくそう言われてな
しゃあないやろ?」


「しゃあないでいいのかよ」


「仕方ないやんけ。
もう……距離置かれてんねんから」


「小夜に行ってないのか?」


「行ってへん」


「行ってみろよ」


「なんでや」


「男ができたようには
見えないけどな…」


「どう言うことや」


「そう見えたってことだよ」


「……」


「日曜日行こうぜ、一緒に」


「は?」


「8時半に小夜な」


「勝手に決めんな」


「絶対来いよ、じゃあな、ピッ」


「おい!平田!……くっそ
勝手に決めやがって。
俺は行かへんからな!」
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