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好きにさせて
第3章 出張
すると
その後すぐ

ブブー…

俺の携帯が震えた


茜から
返信が返ってきたんや


『仕事は終わって
今日はもう家にいるの。
あとは寝るだけ』


よっしゃ

メールが返ってきたのも
嬉しいけど
会話を続けてもいいような
茜の文面に俺は胸が高鳴った


早速俺は

『そうか。お疲れさん。
店、暇やったんか?』

と、質問形式で送信すると
身体を起こして
あぐらをかき
携帯を凝視したまま
茜からの返信を待った


『うん、暇だったけど
今日は友達が来てくれたの。
写真、すごく綺麗だったけど
今どこにいるの?』


『友達来たんなら良かったな。
俺は九州におるんや』


友達が
男なのか女なのか気になったけど
男言われたら
かなりショックを受けそうで
そのことには触れずにいた


『九州?!遠いね!』


『せやな。
土産、リクエストあるか?』


『なんでも嬉しいし
何か分からない方が
楽しみだから
野崎くんに任せる』


野崎くん…か…


その他人行儀な呼び方が
俺はずっと気になっていた

なんで
呼んでくれへんのや

「尚」って


俺も藤崎の事

「茜」って
呼んでないけど・・。



『なぁ、メール邪魔くさいから
電話せぇへんか?
俺の番号は09012345678
茜の番号教えてくれたら
俺から電話かけるし』


電話はあかんて
断られるかもしれへん


けど俺は
とてつもなく

茜を「茜」と呼びたくて

茜に「尚」と呼ばれたくなって

いや
もっと単純に


茜の声が聞きたくて
我慢できんかったんや

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