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好きにさせて
第3章 出張
今日の茜は
店に友達が来たのが嬉しかったのか
なんや明るくて
全く容赦なく
俺に対して友達全開。
俺はこんなに
意識してんのにな。
それを全く
分かってない茜は
中学の時と同じで
分かってんのに
知らない振りをしてるのか
それとも
天然発揮して
ほんとに気づいてないのか…。
「なんもおかしないで」
「そう?」
「俺も茜のこと
想像してるしな」
「……」
俺が藤沢を
茜と呼んだからか
それとも
想像してると言ったからか
茜は一瞬
言葉をとぎらせた
「俺の知ってる
茜の部屋とは
雰囲気変わってるんやろうなー」
「そ、そうね。
野崎くんが最後に
遊びに来たのって確か…」
「なぁ、茜」
「……」
「なんで野崎やねん」
「…それは…」
「茜が最初に
野崎言うから
俺も藤沢言うてしもてたけど」
「だってあれは…」
「振りしてただけやからか?」
茜との距離を
縮めるのは
正直怖かった
近づいて
痛い目ににおうて
もう
近寄れなくなるのは
嫌やった
けど
近づきたい気持ちを
もう
止められへんかったんや