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好きにさせて
第4章 約束


「名前で呼び合ったり?」


「それそれそれ!
やってみたいやんか!」


「あ〜・・うん」



しっかりものの藤沢が
めちゃくちゃ照れながら
ちょっと笑ってんのが

可愛いかった



「ほな・・
学校以外ではお芝居で
付き合うてるフリやってみようや。
ええか?」


「・・・うん」


よっしゃ!

俺にとっては
もうフリでもなんでもよかった

藤沢と
関わっていられるなら


「ほな・・名前からやな」


とは言ったものの
俺も猛烈に恥ずかしいやんけ!!


「そっちから先に呼んでよ」


藤沢はそう言いながら
クスクスと笑った


「お、おう。
当たり前や。
こういうのは多分やけど
男から言わんと・・

え~・・と

あ~・・・

こ、これ

飲むか?



あ・・茜」


うぉ〜〜
恥ずかしくて
死ぬ~~~~


そう思いながら
藤沢の方を見ると

耳を真っ赤にした藤沢が
超恥ずかしそうに
うつむいていた


あ〜あかん
恥ずかしがってる場合やない
藤沢をリードせな!


「な…尚でえぇわ」


「え?」


「…俺の事」


「あ……うん」


「な、なんや遅く なったな。
もう…帰るか?」


「そ、そうだね」


それから俺らは
せっかく付き合ってるフリ
することになったのに
手を繋ぐこともなく
最後の曲がり角まで歩き

もどかしい
さよならをした


「ほな

またな…茜」



「…うん…またね

………尚」


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