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好きにさせて
第5章 部屋
焦れったいなぁ…
中三の妄想は
猛烈に膨らんでるのに
なんもでけへん
部屋におるのに
手も握ってないし
キスもでけへんとか
中三ならわかるけど
今の俺には信じられん
「どうしたの?」
「え?」
「急に黙って」
「いや、なんでも…
ないこともない」
「(笑)」
「なぁ、茜」
「ん?」
俺ら昔のままの付き合いやから
手を繋いでもかまへんよな?
中三の時は
そのくらいしか
せぇへんかったけど
もう大人やし
キスくらい…
いや
抱きしめるだけでも
ええねんけど
なんて
言えるわけがなく
「もし付き合うなら
どんな男がええんや?」
と、アホなことを
聞いてしまった
後で
後悔するとも知らずに