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第11章 彼の正体

彼がそう言って、空いた手でブラの上から包み込み、その大きさを確かめるようにムギュムギュと揉みしだく。


「…っ……りんさんが、悲しむよ。」


あたしは必死に目をそむけて言う。

あたしの頭には直哉の顔が浮かんでいる。
彼だってりんさんのことを考えればやめてくれるだろうと思った。
でもそれは甘い考えだった。


「りんが悲しむ？……そんなの関係無いね。あいつは俺の彼女でも何でもない。」

さらっと言う。

思わず彼の顔を見る。

その目はとても冷たく、なんの感情も無いようだった。



「そ、そんな。だったら何で…」


何であんなことしてたの？
あんな場所で。


「何で？……まぁおまえには見られてるし、これからはおまえがなるんだし教えてやるか。」



あたしが……なる？





彼は徐に口を開いた。
それは想像もしない言葉だった―――――