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彼方
第3章 嫉妬
美しく優しげな岸本薫は、ちなみのみならず多くの一年生の女子の心を掴んでいた。
彼女たちは少しでも薫の目に留まるようオシャレをしたりアピールしたりと、とても積極的だった。
そんな彼女たちとは対照的に、ちなみは薫へ話しかけることさえできないでいた。
だからちなみは薫に興味がないのだろうと、他の女子たちは思っていた。
ちなみは、自分からアプローチできる彼女たちが羨ましかった。
いいんだ、私なんかじゃ先輩と釣り合わないし。
ただ先輩と同じ時間を共有することができるだけで、私は幸せなんだ。
奢ってはいけないんだ。
もっと、もっとと欲しがっても、それ以上は手に入るものじゃないから。
ちなみは帰りの電車内で、雨にぬれる街の景色を眺めながらそう考えた。
彼女たちは少しでも薫の目に留まるようオシャレをしたりアピールしたりと、とても積極的だった。
そんな彼女たちとは対照的に、ちなみは薫へ話しかけることさえできないでいた。
だからちなみは薫に興味がないのだろうと、他の女子たちは思っていた。
ちなみは、自分からアプローチできる彼女たちが羨ましかった。
いいんだ、私なんかじゃ先輩と釣り合わないし。
ただ先輩と同じ時間を共有することができるだけで、私は幸せなんだ。
奢ってはいけないんだ。
もっと、もっとと欲しがっても、それ以上は手に入るものじゃないから。
ちなみは帰りの電車内で、雨にぬれる街の景色を眺めながらそう考えた。