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彼方
第4章 転機
その瞬間、ちなみは顔から火が出るほど赤くなった。
薫の冷やっこい手の感触がありありと感じられ、体の奥がキュンと疼いた。
その様子を見ていた他の女子部員は、ちなみに嫉妬しているようだった。
「薫先輩!頭ポンポンは女子にとってキスと同等ですよ!」
積極的で明るい里奈が声を上げた。
「あ、ごめんね。松尾さん」
ちなみは首を振った。
「里奈ちゃん。先輩は私をワンコとかにゃんことかと同じだと思ってるだけだろうから。そうですよね、先輩?」
「ふふ、そうかもね」
薫は無邪気な笑顔で応酬した。
「ちなみちゃん、癒し系だもんね」
奈保の言葉に、ちなみは内心穏やかでなかった。
彼女の言う癒し系とは、犬や猫やゆるきゃらのように、性的な存在とは相いれない存在のことを指しているのだろう。
でもなあ…私から言い出したことだし。色気ないから仕方ないのかな…。
ちなみは表層に笑顔を貼りつけていたが、心は沈んでいた。
薫の冷やっこい手の感触がありありと感じられ、体の奥がキュンと疼いた。
その様子を見ていた他の女子部員は、ちなみに嫉妬しているようだった。
「薫先輩!頭ポンポンは女子にとってキスと同等ですよ!」
積極的で明るい里奈が声を上げた。
「あ、ごめんね。松尾さん」
ちなみは首を振った。
「里奈ちゃん。先輩は私をワンコとかにゃんことかと同じだと思ってるだけだろうから。そうですよね、先輩?」
「ふふ、そうかもね」
薫は無邪気な笑顔で応酬した。
「ちなみちゃん、癒し系だもんね」
奈保の言葉に、ちなみは内心穏やかでなかった。
彼女の言う癒し系とは、犬や猫やゆるきゃらのように、性的な存在とは相いれない存在のことを指しているのだろう。
でもなあ…私から言い出したことだし。色気ないから仕方ないのかな…。
ちなみは表層に笑顔を貼りつけていたが、心は沈んでいた。