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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第8章 新しい一歩
「俺の念も込めたからね」
「………!」
「痛みを飛ばされた奴は、今頃相当なダメージを喰らってると思うぜ」
ベッドの側面を背もたれにして、ラグの上に並んで座ったユキが
ココアを飲みながら、楽しそうに笑う。
……私もユキも、お互い色々と不思議で、聞きたいことはいっぱいあるはずなのに
泣いている時も、帰り道も
ユキは何も聞かずに、ただ傍にいてくれて……手を繋いでくれていた。
……だから、かな。
「……遼くんは、全然悪くないの」
自然に口から零れた言葉。
「私が、勝手に……
好きでいるだけだから……」
封印してる想いを取り出すのは、緊張するけど
マグカップから伝わる温もりで、気持ちは穏やかだ。