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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第11章 どうしようもなく、惹かれる心
……百歩譲って、芹澤さんの想いや考えがあるとしても
それは宮本さんや遼くんには全くもって関係がないし、ぶっちゃけどうでもいい。
話の内容は半分も分からないけど、勝手な嫉妬からくる一方的な恨みにしか思えない。
「……か?」
「……ん? なに?」
芹澤さんの手の力が少しだけ弱まって、喋る隙間が出来た。
「今の話が、りょ……加賀谷さんのデザイン画を盗むことと何の関係があるんですか?」
「大ありだよ」
何がそんなに可笑しいのか、芹澤さんは帽子の下でニヤニヤし続ける。
「このまま引き下がるんじゃ、俺のプライドが許さないからね」
「……プライド?」
「何かひとつでも、あいつらを痛めつける事が出来ないかなぁと思って」
「………!」
「チャンスはいくらでもあったからね。
何せ俺は、同じ社内の人間だから」
芹澤さんが私の口から手を離した。
掴まれた手を上げて、両手を万歳する格好にさせられる。