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第11章 どうしようもなく、惹かれる心

「私ね、芹澤さんの大事なところ
膝で蹴りあげちゃったんだよ♡」

「……！ マジ？」

「うん！ すっごく痛がってた！」


一瞬だったけど、真っ青になった表情を思い出して吹きだしてしまう。

その後、さらに思いっきり遼くんに蹴っ飛ばされたわけだし

ほんの少しだけど、気が晴れたかな。

暴力はダメだけど、今回ばかりは仕方ないもんね。


「……すげぇな、春菜」


口元を両手で押さえて、笑いを留めようとすると

目尻を下げて、遼くんが笑った。


「その男気もそうだけど。
会議で一瞬見せただけのラフ画、覚えてたんだろ？」

「………！」

「もう、立派な俺のストーカーだな」

「～～～ス……！」


ストーカーって！！

その言い方ってどうなの？

せめてマニアとかファンとかじゃないのかなぁ！？

ぷくっと頬を膨らます私を見て、遼くんは更に笑い出す。


「～～ちょっと遼くん！
第一発見者に向かってそれはないんじゃないの！？」

「はは、嘘ウソ。 冗談だよ」