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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第12章 春の嵐
……都心にある、貴重な緑の空間。
ビル街に囲まれているけど、空から明るい太陽の光が注がれて
並木道の他にも、園内の至るところに桜の木が植えられている。
「姉貴、連れてきたよ」
区画整備されて、敷き詰められた砂利道を奥へと進んでいくと
1本の大きな幹の、すぐ横に設けられた一画
沢山の花が供えられたその中央に
長方形の石が見えてきた。
「…………っ」
………言葉が、出てこない。
胸が詰まって、息が苦しい。
風に舞って広がる、白い煙と独特の香り
……ここが霊園であることを、私に語りかけてくる。
だけど
呼吸が乱れて
気を失いそうになっている原因は
それだけじゃなかった。