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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第14章 救いの扉
「……春菜は」
一面ガラス張り、スクリーンを上げた窓から見える都心の夜景。
宮本と同じ方向を見て、俺は静かに続ける。
「俺にとって……妹みたいなもんだから」
「………!」
……って、俺何言ってんだ?
自分の発言に、自分で突っ込もうとした時
「おい、冗談よせよ」
宮本の乾いた笑いが、冷えたフロアに響いた。
「よくそんなことが言えるな。
その咄嗟に出た例えが、蓮見にとって嬉しい事だと思うか?」
「………」
「とぼけんな。
学生時代を共に過ごして、週に3回。
何年も一緒にいるなら分かるだろ」
遠慮なく、淡々と話す宮本。
煙草を取り出そうとして、俺は溜息を漏らす。
ここが喫煙所じゃないことが恨めしい。
「……蓮見は、お前に惚れてる」
「………」
「真っ直ぐな想いを、見て見ぬふりをして
中途半端に接するくらいなら、突き放してやれよ」
言い放たれた正論。
……分かってる。
ちゃんと、分かってるよ。
「……そうだな」
「………」
「宮本、お前の言う通りだ」