この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第15章 少しだけ

すぐに離れて、私の右手をきゅっと握って

……優しく微笑んだ遼くんの顔が

滲んでボヤけて、よく見えないい。


「……遼、く……」


……まるで、私に何かを言わせないように

取り出そうとした想いを、再びしまってって諭すように

……たった3秒の、遼くんのキスが

だめだよって……そう言われたように感じた。


「……こら、泣くな。
そんなに嫌だった?」

「……っ う……」

「はは、傷つくなー」


涙が止まらない私の頭を、ぽんぽんと叩いて

遼くんは苦笑いをしながら、正門に向かって歩き始めた。


「悪かったよ春菜、もうしない」

「……ふ……っ」

「帰ったら雪斗に消毒してもらえよ。
ちゃんと、笑顔に戻してもらってくれ」

「………っ」


「……お前には、笑っててほしい」



……夕陽が沈んで、大学の街灯がぼんやりと光る。


正門まで続く、並木道


繋がれていた大きな手は


門を潜り抜けた所で、静かに離れていった。

/438ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ