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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第19章 今夜だけ、許して…
……再び、引き締まった両腕が私の体を包んできて
まるで壊れ物に触れるように、優しく抱きしめられた。
「………っ」
……頬に、遼くんの胸の鼓動が伝わってくる。
7年間ずっと片想いを続けて、恋焦がれてきた人と
初めて体を重ねることができた。
……嬉しくて、幸せというよりは
胸がいっぱいで、どうしていいか分からなくて
なんだか苦しいくらいに切なくて
この気持ちを言葉で表現することが難しい。
「……遼くんは?」
左手で髪を撫でられて、それだけでゾクゾクしてしまうけど
顔を胸に埋めたまま、私は恐る恐る口を開いた。
「ん?」
「……遼くんは、ど、どうだったの……///」
って、私何を聞いちゃってるんだろう。
恥ずかしくて顔を上げられない……