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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第19章 今夜だけ、許して…
……ワザと、明るく振舞ってくれている。
悲しい空気にしない為に
私の涙が止まるように
「……ん、っん……」
遼くんの手が私の背中に回って、強く抱き寄せられた。
重なった唇から、吐息が漏れる。
「……春菜、舌出して」
「……っ や、ん……」
……頭と心の片隅に、桜さんとユキがいること
私だけじゃなくて、きっと遼くんも同じことを思ってる。
だけど
今は、ただ遼くんを……
「……あ、あ…」
「……ヤバイな」
「ん、…っふ、ん…」
「止まんねぇよ……」
濃厚なキスの合間に囁かれる、遼くんの低い声が
私の体を甘く溶かしていく。
……クラクラして、何も考えられなくなる。
全身が痺れて、力が入らない。