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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第19章 今夜だけ、許して…
「……弱くて、ごめんなさい」
涙を拭ってくれる、遼くんの優しい指を感じながら
私は瞳を閉じてそう告げた。
“ 春菜を、好きになってもいいか……? ”
奥さんを、心から愛してる遼くんに
そんな言葉を言わせてしまったのは、私が泣いたせいだ。
……そうじゃないでしょ、私。
遼くんが、寂しくてどうしようもない時の
心が安心できる、寄り添える場所にならなきゃだめなんだよ……
「……本当はね、もっとカッコ良く言うつもりだったんだよ。
寂しい時に私が傍に居てあげる、みたいな感じで」
「………」
「ふふ、ダメだよね。
沙月みたいに、明るく言いたかった…」
「春菜」
言葉を遮って、遼くんが私を呼んだから
ゆっくりと目を開けると……
「……俺は、お前に惚れてるよ」
私の前髪をかき分けて、遼くんは真剣な瞳で私を見つめた。
「……ずっと、逃げていたから
こうなって初めて、ちゃんと自覚したけど」
「………っ」
「……春菜が、好きだ……」