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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第23章 Love is forever
「……謝ることなんて、何も無いわ」
ユキの右手を両手で包み込んで、私はもう1歩彼に近付く。
「嬉しかったの。
ユキが……気持ちを伝えてくれて」
「………」
「本当に、嬉しいの」
そう言って、更に強く握りしめると
ユキは困ったように視線を逸らして、片手で髪をかきわけた。
「カッコイイ所は、全部あの人にもってかれたけどね」
「………!」
「ずるいよな、去り方まで完璧過ぎて。
本当なのか嘘なのかさえ……読み取れなかった」
「……嘘?」
カフェに戻っていく遼くんの背中を想い浮かべながら、ユキにそう聞き返す。
「読み取るって…?」
「本当の願いだって義兄さんは言ってたけど。
本当の本当にそうかは、分からないでしょ?」
「………」
「……優しい人だから」
“ 春菜と雪斗が、この先もずっと
この手を繋いで、寄り添って生きていってほしい ”
“ 今、心からそう感じてるよ ”
「もしかしたら、あの人……」
「ほ、本当だよ…!」
「………!」