この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第23章 Love is forever
また目の奥が熱くなってきて、私はそっと手を伸ばした。
……感動し過ぎて、心が震えてしまう。
「……私も、同じ」
微笑んだユキの頬を包み込んで、懸命に泣くのを堪えた。
……ユキが、私と同じ気持ちでいてくれる……
「ユキが私に笑ってくれるだけで……
名前を呼んでくれるだけで、泣きたくなるほど嬉しくなるの」
「………」
「胸がいっぱいで、ちょっと苦しいほどに…」
「春菜」
「………」
……え……?
「……ユ、キ……?」
突然響いた、彼の声。
……待って、今
ユキが私の名前を……
「……春菜」
「………っ」
穏やかで、優しい笑顔のユキが
頬に当てた私の手を握り締めて、静かに瞳を閉じた。
「3月31日、桜の木の下で
春菜と出逢えた奇跡の日を……俺は一生忘れない」
「………っ」
「相手の幸せを願う、心の優しい貴方が
俺を救い出してくれた、心の美しい貴方が
もう二度と悲しい涙を流さないように……これからずっと傍にいるからね」
指を絡めて、ぎゅっと握りしめて
ゆっくりと目を開けると、ユキは太陽のような微笑みを浮かべた。
「……愛してるよ、春菜」