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BLACK WOLF~crime~
第6章 時ノ悪戯



荷物を纏めて玄関へと走った。

早く警察署に…。

早く行かないと…。




靴に履き替えて玄関のドアを開けると━━━━━━━









「こんにちわ、相沢さん」

「…きゃっ」










ドアを開けると目の前に男性が立っていた。

笑顔で私にニコッと笑いかけるこの男性。











「さ、桜木さんっ!?」

それは、3日前に会ったばかりの桜木さんの姿だった。

まさかの鉢合わせに体が一瞬硬直してしまった。

っていうか、何で桜木さんがここにっ!?



「さ、桜木さん、どうしてここに?」

「だって、あの後全然連絡くれないから。相沢さんの携帯番号は知らないし心配になって見に来たら相沢さんが飛び出してきて…」

「心配?」

「彼氏と仲直り出来た?」



あ…、そうだ。

桜木さんの連絡先が書かれたメモ用紙は黒埼さんに取り上げられちゃったんだ。

私の携帯番号は教えてなかったから、わざわざアパートまで見に来てくれたんだ。

「あの…、すいませんっ!いろいろあって連絡出来なくて…」

「いろいろって事は…、彼氏と仲直り出来たんだぁっ!よかったね♪」


まるで自分のことのように喜んでくれる桜木さんだが、よかったのかどうかは怪しいところだ。

正直、ムリヤリ仲直りしたようなもんだったし。



「ところで、そんなに慌てて、どこかへお出かけ?」

その言葉で当初の目的を思い出した。

さっきは驚きのあまり一瞬頭の中が真っ白になっちゃったけど、今は桜木さんとお喋りしてる暇はない。


「あの、お礼はまた後日…、今日はちょっと急いでるんですっ!」

「え?どうしたの?」

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