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BLACK WOLF~crime~
第7章 火ノ鳥
一目でわかる、この部屋の異様さに。


ピチャッ…

錆び付いた蛇口から水滴が垂れてるけど、使われてるのかな?

こんなところに人が住んでるように思えない。


何なの、ここは…?

どうして私、こんなところに…?



すると…



「あ…」

部屋の隅に置いてあるボロボロのベッド。

そこに何か、大きな塊が見える。

その塊に一瞬驚いたがよく見るとそれは…、人の形。


「誰…?誰かいるの…?」



…………その人影は動く気配がない。

あれ、人だよね?

私の問いかけに反応する気配がないけど、眠ってるの?

まさか、死んでる…?



しかし、目を凝らしてその人影をよく見てみる。

仰向けになりピクリとも動かずベッドにグッタリしているその人物。

服はカッターシャツにジーンズだけど、破れて汚れてボロボロだ。

背丈からして男性っぽいけど、あれは…。




「あ…っ」




あれは…

目を凝らすとだんだんと意識がはっきりしてきた。

人影の輪郭もはっきり見えてきた。

あ、あれは…

あの人影は━━━━━…





「ハルちゃんっ!?」

ベッドの上に寝かされていたのは、ハルちゃんだった。

服も髪もボロボロのハルちゃん。


「ハルちゃんっ!?ハルちゃ…━━━痛っ」

起き上がりハルちゃんの元へ駆け出そうとしたが…、手が動かない…っ。


な、何…っ!?


ふっと見ると、私の両手は…

両手首に手枷のようなものを付けられていて、まるで囚人のような格好で拘束されていた。

手の自由は奪われているが足は自由だし、どこかに繋がられてるってわけでもなさそうだった。


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