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BLACK WOLF~crime~
第9章 君ノ笑顔
「ダメだよ、逃げちゃ。ちゃんと顔見せてくれなきゃ」

私の表情を記録しようとカメラのレンズが追いかけてくる。

どこに逃げても、逃げられない…っ。

「や、やめてっ!撮らないで…っ!嫌っ!!ハルちゃ、やめてっ!!あぁ…」

「ほらっ!こっち向けよっ!黒埼、しっかり見てろよっ!!」


ダメッ…

こんな姿、見ないでっ!

お願い、黒埼さん…。

嫌われても、軽蔑されてもいいけど、こんな姿だけは…っ。


だ、めぇ…っ。




「嫌っ…あぁぁっ、嫌ぁっ!ああああぁぁっ━━━━━━」






陸に打ち上げられた魚のように、私の体がビクンッと痙攣を起こした。








く、ろさきさ…




「はぁ、はぁ…んっ」

「あーぁ。必死に我慢してたのにね。幼馴染みの手でイカされちゃって…」

「はぁ…うっ、ひっく」

黒埼さん…。

黒埼さん…っ。


小さな痙攣を繰り返し息も絶え絶えの私の姿。

幼馴染みのハルちゃんに…、私は…。

黒埼さんへの最上級の裏切り行為だ。

自由を奪われてしまい、どんなに抵抗してたとは言え結果的に私はハルちゃんの愛撫に感じてしまってた。

そして、否応なしに絶頂を迎えてしまった…。

涙が止めどなく溢れてくる。


「黒埼に罪悪感でも感じてる?でも、相沢さんをそんな体に仕込んだのは黒埼でしょ?恨むなら俺より黒埼を恨んでね」


絶頂を迎えた私のその後の反応もカメラは1つ残らず記録している。

黒埼さんの神経を逆撫でするような台詞を交えながら。




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