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快楽の奴隷
第13章 ミューズ
「気持ちいいっ……しゅうちゃんっ……」

宏世の抑えきれない声が耳許で囁かれる。
それは十五歳とは思えないほどの妖しい熱と湿りを帯びていた。
腕の中で跳ねる従妹は高梨も興奮させていた。
今さら、彼も引き返せなかった。
春だというのに、押し入れの中は二人の熱気で汗ばむほどになっている。
うっすらと全身を湿らせた二人は夢中で揺れあった。
前髪は汗で乱れ、喪服や制服は情事の事実を物語るようにシワが寄る。

「しゅうちゃんも気持ちいいの?」
「……ああ」

認めたくないが彼は高校生の従妹の膣内以上に、心地いい場所を知らない。
暗闇に馴れた目は彼女の顔をはっきりと認識できた。

「私のこと……好き?」

目元が笑っていない笑顔で問い掛けられる。
高梨は答える代わりに従妹を強く抱き締めた。

「ねぇ……訊いてるの。好き?」

それは答えが明確なだけに、返答のしようがない質問だった。
もし答えてしまえば、完全に取り返しがつかないところまで堕ちるしかない。
返事をしない従兄が憎くて、宏世は腰に回した脚を締めながら自らも腰を遣い始めた。
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