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第1章 　君との距離

二人で並んだエスカレーター


ふいに思いついて


二段駆け上がる





『視線が合った』


得意げな私に


ふっと微笑んで


それから……


拗ねた表情を見せる君





『これじゃ、抱き寄せられないよ……』





嬉しさを隠して


わざと作った膨れ顔


素早く


二段駆け下りる





絡ませた腕に


寄り添わせた頬





視線が合わなくても


君との距離は


ここが


心地良い……