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煌めきの粒子【超短編集】
第10章 理想の萌えシチュ
傾いた太陽の光が
校舎の窓硝子に吸収されて
圧縮されてから
解放されたように
圧倒的な強さで
人気のなくなった
教室を眩しく照らし出す
たちまち世界は
オレンジのセロファンを重ねた色へと
変化する
彼の部活が終わるのを待ちながら
同じ部活待ちの理子と
二人で向かい合わせに座り
女子トークに
花を咲かせる
話題は
理想の萌えシチュ
オレンジに染められた瞳をキラキラさせる理子。
「そりゃ、『壁ドン』でしょ!」
「えぇーっ、前から来られるよりも
後ろからギューッの方が
絶対萌えるって!!」
互いの萌えシチュトークに熱が籠もる。
突然…
ドスッ!!
重い何かが落とされる音と共に
後ろから回された
筋肉質の太い腕
汗の染み込んだTシャツの匂い
耳元をくすぐる
低くて心地のいい声……
「なに、
こうされるのが好きなの?」
「ギャッ!!!」
心臓が飛び跳ね
肺が潰れてしまうかと思うくらい驚いて
それから……
「は、離して……///」
恥ずかし、過ぎるよ……
こんな、突然
しかも、理子の前とか……
正面に座る理子は
ニヤニヤ笑ってる
交差した彼の腕が
私の肩をギュッと掴んだ
「やだ、離さねぇ……」
「ぇ…?」
「…まだ、質問の答え
聞いてねぇし」
ゔ……
「……うん…好、き……///」
彼の腕に顔を埋めて答える
彼の腕がゆっくり外されて
床に投げ出されたスポーツバッグを
ボスッと左肩に担いだ
「ほら、行くぞ…」
私に背を向け
乱暴に差し出される右手
けれど
後ろ姿の短髪から見える
彼の耳は夕陽より真っ赤に染まってて……
照れ隠しだって
知ってるから……
「うんっ!」
手を重ねると
強く握り締められて
嬉しくなって
弾むように
椅子から立ち上がった
校舎の窓硝子に吸収されて
圧縮されてから
解放されたように
圧倒的な強さで
人気のなくなった
教室を眩しく照らし出す
たちまち世界は
オレンジのセロファンを重ねた色へと
変化する
彼の部活が終わるのを待ちながら
同じ部活待ちの理子と
二人で向かい合わせに座り
女子トークに
花を咲かせる
話題は
理想の萌えシチュ
オレンジに染められた瞳をキラキラさせる理子。
「そりゃ、『壁ドン』でしょ!」
「えぇーっ、前から来られるよりも
後ろからギューッの方が
絶対萌えるって!!」
互いの萌えシチュトークに熱が籠もる。
突然…
ドスッ!!
重い何かが落とされる音と共に
後ろから回された
筋肉質の太い腕
汗の染み込んだTシャツの匂い
耳元をくすぐる
低くて心地のいい声……
「なに、
こうされるのが好きなの?」
「ギャッ!!!」
心臓が飛び跳ね
肺が潰れてしまうかと思うくらい驚いて
それから……
「は、離して……///」
恥ずかし、過ぎるよ……
こんな、突然
しかも、理子の前とか……
正面に座る理子は
ニヤニヤ笑ってる
交差した彼の腕が
私の肩をギュッと掴んだ
「やだ、離さねぇ……」
「ぇ…?」
「…まだ、質問の答え
聞いてねぇし」
ゔ……
「……うん…好、き……///」
彼の腕に顔を埋めて答える
彼の腕がゆっくり外されて
床に投げ出されたスポーツバッグを
ボスッと左肩に担いだ
「ほら、行くぞ…」
私に背を向け
乱暴に差し出される右手
けれど
後ろ姿の短髪から見える
彼の耳は夕陽より真っ赤に染まってて……
照れ隠しだって
知ってるから……
「うんっ!」
手を重ねると
強く握り締められて
嬉しくなって
弾むように
椅子から立ち上がった