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揺れる恋 めぐる愛
第8章 羨望と嫉妬
主任との関係が変わってしばらくして、また、美咲からメールがあった。

[元気にしている?よかったら去年も行った花火行かない?]

以前私が拒絶してからも……

美咲は変わらずメールをくれていた。


桜が咲いたね。とか、今日は実家に帰ってます。

とか日常の些細な事をつぶやくような内容。

私にとっては別にどうでもいい内容ばかりだった。

その内容の裏側には、彼氏とうまくいっている幸せな彼女と、

彼氏に見捨てられた不幸な自分。

そのメールを見るたびに不快な気持ちになり可愛そうな自分に

酔っていたのかもしれない。

でも拒否することもめんどくさくて……

無論返信なんてしなかった。

これ以上自分の傷をえぐりたくなかった。

でも、一人ぼっちになるのは……

寂しかった。


たまに社内ですれ違う時も、

「おはよ」と挨拶だけは欠かさずしてくれていた。

その様子はあの拒絶がなかったかのよう……


美咲は距離を保ちながらも変わらずそのままでいた。

でも、どこかに行こうという誘いはあれから一度もなかった。

気まずさはあるが、こんな私を見捨てずにいてくれる美咲に、

少し気分の変わってきている今、会ってみようと思った。


[わかった。詳しい日時をメールして。]

主任の言うとおり私は前を向いてみることにした。
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