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揺れる恋 めぐる愛
第3章 理解と誤解
「のの。僕たちは出会って長い年月を一緒に
過ごしてきたわけじゃない、でも、お互いを分かり合うには
十分な時間を過ごしてこれたと思う。
離れてみて、ののが僕の人生には不可欠で
本当に大切な人なんだとよくわかった。
だから、僕の物だという印を受け取って欲しい」
先輩はそう私に囁きながら、決意を込めるように指輪を
薬指の奥に押し込んだ。
そして、
「結婚しよう」
微笑んで私を抱きしめる。
「うん」
「……よかった。断られたらどうしようかと思った。
じゃ……
すぐに仕事辞めてくれるよね?」
先輩は甘い言葉を告げ、私をより強く抱きしめて
信じられないことを言った。
「先輩……」
私は先輩の背中に回していた腕をほどき、胸を強く押す。
その行為に気づいた先輩が、眉間にしわを寄せながら私を解放する。
私達はそのまましばらく重苦しい空気の中、見つめ続けた。
そして、視線を逸らし俯いた。
「先輩……
勘違いしないで聞いてほしいんだけど……
私、結婚するなら先輩しかいないと思ってたから、とてもうれしい。
ただ、すぐ仕事を辞めるのは無理……」
その言葉に、先輩は信じられないというように目を見開いた。
過ごしてきたわけじゃない、でも、お互いを分かり合うには
十分な時間を過ごしてこれたと思う。
離れてみて、ののが僕の人生には不可欠で
本当に大切な人なんだとよくわかった。
だから、僕の物だという印を受け取って欲しい」
先輩はそう私に囁きながら、決意を込めるように指輪を
薬指の奥に押し込んだ。
そして、
「結婚しよう」
微笑んで私を抱きしめる。
「うん」
「……よかった。断られたらどうしようかと思った。
じゃ……
すぐに仕事辞めてくれるよね?」
先輩は甘い言葉を告げ、私をより強く抱きしめて
信じられないことを言った。
「先輩……」
私は先輩の背中に回していた腕をほどき、胸を強く押す。
その行為に気づいた先輩が、眉間にしわを寄せながら私を解放する。
私達はそのまましばらく重苦しい空気の中、見つめ続けた。
そして、視線を逸らし俯いた。
「先輩……
勘違いしないで聞いてほしいんだけど……
私、結婚するなら先輩しかいないと思ってたから、とてもうれしい。
ただ、すぐ仕事を辞めるのは無理……」
その言葉に、先輩は信じられないというように目を見開いた。