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喪われた記憶
第2章 誘拐





―――バシッ




『…っ』



「…な..なんてことをするんですかっ」



手足は自由だった私は、
思わず男の頬に平手打ちをしてしまった。


……今更後悔しても遅い。



『…いい度胸だな?囚われの身で俺に反抗するなんて…』


低い男の声が更に低くなる。


『俺がお前に何をしたかったか…今から思い知らせてやるよ』









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