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喪われた記憶
第11章 清白家



廊下に出ると、夏恋が待っていた。

俺を見るとほっとした表情をする。



『どうなりましたか…?』


「ん。同棲許可してくれたよ。」


『はぁ…良かったぁぁ……。』


「…もう帰ろうと思うんだけど、月琴はどうしてる?」



そう言うと、はっとした表情をした。



『そういえば!
りーちゃん、寝ちゃったんですよ~
起こしたいけど起こさないほうがいいと思って。
それに今日はもう泊まっていく気まんまんでしたから。
引っ越しの準備もあることですしね。
…青瀬さんはどうします?』


「………いや、俺は一旦帰るよ。
色々整理したいし。
月琴は明日迎えに来るよ。
良い時間に電話するよう言っといて。」


『分かりました。
では…お気をつけて。』


「…うん。
いろいろありがとな。」




最初の態度が激しかったからあまり分からなかったが

丁寧な対応から

この子も一応月琴の妹なんだなと実感する。



―――がちゃっ







俺は家を出て、自宅へと車を走らせた。













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