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喪われた記憶
第12章 月琴の過去



「………ふぅ」



家に帰った俺はシャワーを浴びた。



「………」



何とも言えない気分だ。



「………月琴っ………」





俺は……




何も知らなかった……




気づいてやれなかった……




救ってやれなかった……




なんて情けないんだ……




どんな思いで……




あの時俺に抱かれたのか……




胸が抉られるように痛む。




助けてやれなかったことがこんなにも悔しい。






―――ぼふっ






ベッドを思い切り殴りつけた。


















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