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喪われた記憶
第16章 忍び寄る影






『…月琴っ!?』



この声は……



「…瀬奈ちゃん」



『大丈夫?顔色悪いよ?』



「…あぁ、大丈夫だよ。
 気にしないで……」



『…医務室行くよ。
 月琴の大丈夫は大丈夫じゃないからね。』



「ん…ごめん。」







嫌な予感がする。




あの突き刺すような、冷たくて鋭い視線の気配。




前に、感じたことがあるような…




どこで?





……分からない。





でも、覚えてるのはきっと…





<月琴>の方だ。






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