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喪われた記憶
第18章 予感は現実へ
「…大切な人を……助けに行くんです。」
『…………。』
「もう…後悔するような事にはしたくないんです。」
『…………。』
「……彼女の命が懸かってるんです。」
『……もし私が許可しないと言ったら?』
「決まってますよ、
部長を殺してでも助けに行きます。」
『……そう』
そこで部長は目を閉じた。
深く息を吸い、吐く。
『それ相応の覚悟はあるのね?』
「はい。
どうなっても構いません。」
『そう…。』
再び部長は席へと戻る。
そして皆に背を向けたまま
『さっさと行きなさい。
時間切れになる前にね…』
「…!……はい、ありがとうございました」
俺は会社を後にした。