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喪われた記憶
第21章 記憶の断片





幸い助かったようだったけど





命の代わりに私は“記憶”という代償を払った。




ついこの前までは忘れていたけど




父との歪んだ関係……



その出来事……







それだけなら良かったのに








私と紫苑の大切な想い出まで……








失ってしまった。







そしてまだ…






その記憶だけが思い出せていない。






紫苑に別れを告げる直前からしか……分からない。









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