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喪われた記憶
第24章 その香り





周りがゆっくり見える。



知ってる。



私はこの感覚を知ってる。



何かから落ちる感覚を。



ふわっと浮いて……



ゆっくり下へ向かって……










目を閉じると



懐かしい声が……


聞こえるはずのない声が聞こえた。







その直後





―――ぎゅうっ……






温かい何かに包まれた。



この香りは………



私の好きな…………



その正体を確かめる前に





私は意識を失ってしまった━━━






























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